今回は主に腰痛に苦しむ方の相談、3件に院長が回答してくれました。
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初めてご相談させていただきます。 37歳 男性です。 1ヶ月くらい前から、左足踵の地面に接するところが痛くなりました。歩行が困難になるような痛みではありません。 一番症状が出るのは、朝起床したときです。一度立ってあるいてしまえば痛みは消えます。そして、1週間位前に、体を洗っているときに左足の大腿部の外側がしびれているのに気が付きました。 しびれといいましても、奥までしびれているのではなく、皮膚の表面の感覚がなくなっている感じです。 事務職なので長時間椅子に座っているのですが、長時間座っておりますと、足の先まで血の気がひいたような、スーっとするような感じでしびれます。 私は20年間位腰痛を患っております。 腰椎の椎体の右横に広がっている骨が肥大化し、それが腰骨に食い込んでおり、何百人かに一人の奇形で心配はないと言われ、そのまま治療は受けておりません。 それらとこの左足の大腿部のしびれと関係があるのでしょうか。 治療すれば治りますでしょうか。 よろしくお願いいたします |
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レントゲン写真などや診察を致しておりませんので何とも申し上げれれませんが、現在の所、症状は比較的軽そうな印象を受けます。 体重、体型、服装、姿勢などが影響している可能性もあります。坐骨神経や外側大腿皮神経に沿った痛みと痺れかと思います。 保存療法として消炎鎮痛薬、ビタミン類、温冷湿布、牽引、温熱療法、各種神経ブロックなどがあります。ご気軽に御来院下さい。 |
41歳、女性。 5年程前から腰痛に悩まされるようになり、カイロプラクティックや、数カ所の整形外科にも行きましたが、良い結果が得られません。 一昨年の10月に、腰椎すべり症と診断されましたが、そこの病院では、治療できないということで、そのままになってしまってます。 このごろは、腰だけでなく歩くと股関節も痛くなるので困ります。家から遠いのですが、先生に診ていただく事は、出来るでしょうか? |
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すべりと不安定性の程度によっては手術が必要な場合もあります。保存的には分離部ブロック、椎間関節ブロック、硬膜外ブロックなどで治療しますが同時に椎間板の変性やヘルニア、脊柱管の狭窄なども除外する必要があります。ご気軽に御来院下さい。 |
52歳になる母が腰痛と膝痛で寝たきりで苦しんでいます。 まず、去年の12月ごろから、変形性膝関節症になり、膝をかばい安静に5月まで自宅療養していました。 6月に入って、膝をかばい、腰を痛めました。それから、痛みがひどくなるので、病院に検査入院しMRI、CT、血液検査をしましたが整形外科的、内科には異常はなく、小さな子宮筋腫が産婦人科でわかりました。 でもここまでの痛みはでないとのことで、また座薬と睡眠薬とさらに強いこう鬱薬がだされました。 しかし、通院や検査で、腰や膝はますます痛み、座薬などもききません。 先生は原因がわからないので、治療もできないし、神経ブロックなどもやらないで自宅で療養するしかないといわれました。母の神経的な疲労もかなり限界にきており、そちらのほうも心配です。これからどのようにしていけば良いのか教えて下さい |
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苦しまれているお姿が眼に浮かぶようです。 ところで、腰部の硬膜外ブロックは受けられましたでしょうか? 通常、このブロックは腰から下肢の痛みを消し去ることが出来ます。 もしこのブロックが効かない場合は、脊髄レベルから上の異常が考えられます。 ブロックが全く効かない、かえって痛みが強くなるなどの症状が出る場合もあります。 拝見致しておりませんので何とも申し上げられませんが、一般的に、このような場合抗うつ薬と交感神経ブロックが治療の中心となります。抗うつ薬は気力を高めて積極性を出す薬です。筋力・体力をつけて病気に打ち勝つ姿勢が大切とおもいます。ご近所なら当院、遠方過ぎる場合もペインクリニックの受診をお勧め致します |
初めまして。20代の女性です。 ここ数年、汗の量が増えたり赤面したりするようになりました。仕事にも差し支えるようになってしまい、大学病院で内科的な検査をしたところ何の異常もなく、やはり精神的なものだろうと、心療内科で薬物治療を行いましたが全く効果が見られなく落ち込むばかりです。ちょっとしたことで緊張してしまい、交感神経が高ぶりやすい性格なのだと思います。 症状は、例えば、電車内と外との気温の差についていけず真っ赤になったり、大汗をかいたり、緊張したときも同じ症状がでます。(手の多汗はないです。) 赤面症などの治療に神経ブロックは有効でしょうか?このような症状の患者にはどのような治療をどのくらいの期間行うものか教えて下さい。よろしくお願いします |
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通常、精神安定薬、抗うつ薬、カウンセリング、自己暗示療法などが知られていますが治療は大変難しいようです。ペインクリニック領域では星状神経節ブロックや内視鏡を用いた胸部交感神経切除が行われています。星状神経節ブロックは20〜30回の治療が必要となりますが、赤面に至った原因・経過が個々によって事なりますから有効度に差が多いと思います。 胸部交感神経切除は最近は専門クリニックも多くなり、通常数日の入院が必要ですが有効率は高いと思います。インターネットで検索されれば情報は簡単に入りますよ。 |
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癌の術後の痛みについて | |
実家の父が5年ほど前に肺がんになり右の肺を取りました。 その後菌が繁殖したとかであばら骨を何本か切り取って治ったのですが、右の肩が痛いといって ちょっと腫れたりして最近では座っている事も出来なくなりました。病院で神経ブロックやレーザーなどいろいろ試しているようですが、レーザーを去年の9月に当ててからは余計に痛みが増して苦しんでいます。 肉が剥がれるような痛み、ひりひりする、などと言っています。右手の指も動かしにくくなりました。新しく出たシールタイプの痛み止めも効きません。 痛み止めの薬を3時間おきに飲み、夜は睡眠薬、それでも毎日痛みに耐えるだけの生活です。放射線を先日当てようとしたのですがじっとしていられなくてあきらめました。 本当に何か良い方法は無いでしょうか。お願いいたします。 |
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ご質問からでは、痛み止めの種類と量、癌転移の有無がはっきりしません。 まず痛み止めはモルヒネでしょうか?もしモルヒネ徐放薬(ゆっくり腸で溶けてゆっくり吸収される)のMSコンチンを三時間毎に服用しているとしたら、量の不足が推測されます。 通常MSコンチンは一日二回、時に三回服用します。 一日一回服用のカーデイアンも最近発売になりました。 シールタイプは使いやすいのですが、どうしても血中濃度が上がらず、人によっては効果が少ないようです。 一般にモルヒネはお酒と同様個人差が大変おおきく1?2mgでも十分に効果が出る人もあれば1000mgでもまだ不足している人もあります。十年前はモルヒネは一日30mgまでときめられていたため、癌患者さんの多くは激烈な苦痛をしいられていましたが、現在は原則として上限はありません。(約80%の患者さんは一日30?200mgで疼痛コントロールされます)在宅患者さんならば、モルヒネの持続皮下注射も有効です。 加えて患者さんが痛いとき、自らの意志で医師によって予め決められた範囲内で薬剤を投与するPCA(patient controlled analgesia)を併用すべきと考えます。まずはお父様の至適必要モルヒネ量を決定することが大切と思います。その他手術の傷跡が原因の疼痛もありますが、ご質問文章からでは、はっきりしませんので、一度電話でご相談下さい。手が放せないときは何時頃にもう一度と言いますから、いつでもご気軽に電話して下さい。 |
帯状疱疹後神経痛について | |
74才になる父の帯状疱疹後神経痛についてご相談します。 4月中旬に坐骨から左大腿部に帯状疱疹が出来、10日間入院しました。 退院後しばらくはしびれたような感じでしたが、水疱のあとが治るにつれ痛みに変わり、今は歩くのも困難な状況です。 父は昨年来「血小板減少症」のため、毎日「プレドニン」を0.5錠ずつ服用中です。(血小板は現在10万前後で安定しています) 痛み止めは血小板数を下げるそうで、処方されていません。 いまは温シップなどで患部を暖めていますが、やはり痛いようです。何か痛みを和らげる良い方法はないでしょうか? |
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通常「帯状疱疹」は早期に疼痛対策治療を行わないと、後遺症として、あらゆる治療に抵抗する痛みを残す事が多いんです。 若い人だと痛みも軽く早めに治りますが、50才以上の人がかかると、水疱が治っても、いつまでも患部が痛む「帯状疱疹後神経痛」に進展する率が急に増加します。だいたい50才で50%、60才で60%、70才で70%ぐらいです。 全員が「帯状疱疹後神経痛」に移行するわけではないので、坑ウイルス薬の点滴投与や内服治療のみで治療される場合が多いのが現状です。最も効果的な治療は硬膜外ブロックです。痛みのある神経の根部に細く、柔らかいチューブを留置して持続的に局所麻酔薬を注入し知覚神経と交感神経を遮断して、犯されている神経周囲の痛みを取り除くと同時に血流を改善させることです。この病気は初期の痛みを完全に取り除くことが最も大切です。 特に最初の一ヶ月が大切です。三ヶ月以上経過しますと、痛み刺激が脊髄レベル、大脳レベルで記憶として残ってしまい慢性痛に移行してしまうからです。 ただし、お父様は「血小板減少症」との事、硬膜外腔は血管が豊富で出血しやすい場所です。出血傾向があると硬膜外腔に大量に出血し神経麻痺や運動麻痺を起こす可能性があるかもしれません(通常、血小板5万以上あればブロックは受けられます)。 硬膜外ブロック以外では「ブシ末」を中心とした漢方薬も有効と考えております。「血小板減少症」との兼ね合いは重要ですが、今現在の痛みを一刻も早く取り除くことが大切です。 入院設備のある麻酔科・ペインクリニック科の受診をおすすめします。 |
76歳母親の痛みについて | |
76才の母親についてご相談があります。 10数年前から、母親は全身の激痛に悩まされていました。 複数の病院で原因を調べてもらいましたが、結局のところ原因の特定が出来ていません。 痛み止めとしてボルタレン座薬やモルヒネ座薬を使っても母親の様子をみると痛みが緩和されたとは考えられません。効果がないようです。 今は痛みに耐えられず、さらにモルヒネ座薬の長期間の服用で体力が弱まっているがゆえ、一日中寝たきりの状態です。母親の痛みを少しでも改善できることができれば、全ては良い方向に進むと思い、何か有効な手掛りがないかといろいろ調べていたところ、貴クリニックのホームページを発見しました。母親は東村山市に住んでいます。母親の診察を至急して頂けないでしょうか。 |
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全身の痛みで、原因の特定が出来ていないとの事、十数年間大変なご苦労とお察しいたします。通常、慢性痛は鎮痛薬や通常の神経ブロックでは効果が悪い場合が多く、現在もっとも有効とされている薬は、抗うつ薬かと思います。いろいろなタイプの抗うつ薬が各社より出ております。なにぶん実際に拝見いたしておりませんので詳しくは申し上げられません。もう少しくわしい症状を知りたいので、直接こちらまで、ご気軽にお電話下さい。 |
五十肩について | |
私の母(47才)は一ヶ月位前に転倒したのをきっかけに、右肩を痛めてしまいました。病院では五十肩と診断されたそうです。本人は老化現象なのでしょうがないと半ば諦め、毎日運動やマッサージをしています。見ていてとても辛そうなので何か良い方法はないかと探しておりました。貴クリニックでは五十肩の痛みをとることも可能ですか? | |
五十肩は急性期(疼痛性筋痙縮期)と慢性期(筋性拘縮期)に分けられます。お母様は夜間の痛みが強くまだ急性期であまり強い運動は無理と思われます。通常、五十肩の治療はまず肩、上肢の安静を保ち、肩甲上神経ブロックや薬物治療、肩峰下滑液包内や肩関節腔内注射、温熱療法などにて疼痛を軽減してからリハビリ運動を行います。ただお母様の場合、転倒がきっかけとのことから、腱板の断裂の可能性もありそうですね。ご来院お待ちいたしております。 |